ウイスキーを飲む時によく聞く「水割り」とは、その名の通り水で割ったウイスキーになります。ストレートよりも薄めてあるので飲みやすく、氷が入っていて冷たくて美味しい飲みものです。
キャバクラには日本酒やワインなどいろいろなお酒が置いてありますが、水割りをオーダーされたら、キャバ嬢自らおつくりするのが基本となります。
キャバクラでは、お客さんがほぼ必ずお酒を注文されますので、まずは「何を飲みますか?」と軽く尋ねてみてください。
水割りは水で割ればOKというわけではなく、正しい順序があります。なので、ウイスキーにそのまま水を入れて掻き混ぜないように要注意。(もちろん初心者のうちは作り方を教えてもらえます)
正しい水割りの作り方を覚えて、お客さんに喜んでもらいましょう。
水割りには、ウイスキー・グラス・水・氷・トング・マドラーが必要です。グラス・トング・マドラーはすべて水割りを作るために必要なアイテムになります。
自宅で水割りを作る時は、水と氷を水道水で代用してもOKですが、水道水のクオリティでは美味しい水割りに仕上がりにくいです。一般的にお店ではミネラルウォーターと、氷屋さんで製造している大きめのかちわり氷を使います。
氷屋さんのかち割り氷は、中に不純物を一切含んでいないので、固くて溶けにくい理想的な氷です。普通の水道水の氷は、飲みものに入れるとすぐに溶けて中身を薄めてしまいますが、かちわり氷は長持ちします。
お客さんからオーダーをいただいたら、早速お酒を注ぎます。ここで「シングル」と「ダブル」と呼ばれる注ぎ方がありますので、どちらにするかを決めておきます。数字でいうとシングルが30ml、ダブルが60mlとなります。
シングルとダブルを分かりやすく表すと、自分の指1本分か2本分かという違いです。グラスをテーブルの上に置いて、底から指1本分の横幅の分だけウイスキーを注ぐことを「シングル」、2本分の横幅だけ注ぐことを「ダブル」と呼びます。
いきなり濃いめにすると悪酔いの元になってしまいますので、まずはシングルで水割りを作ってみてください。ウイスキーを注ぎ入れたら、大きめの氷をトングを使って数個グラスに入れていき、氷の高さより高く注ぎ入れないように、そして水割り全体がグラスからあふれ出さないようにして、マドラーを使って10回ほどすばやく掻き混ぜます。
実は先に氷を入れてからウイスキーを注ぐ方法もありますが、1:2.5の分量がはかりにくいので、飲みものを先に注ぐと安心です。
次に、冷やしたミネラルウォーターをウイスキーの2.5倍入れ、5回程度マドラーで掻き混ぜます。濃いめが好きなお客さんには2.5倍ではなく2倍程度でOKです。
お店に初めて来店されたお客さんには、必ずお好みのお酒と濃さを尋ねてください。「薄めがいい」と言われたら2.5倍までお水を足すことを意識してください。ただし2.5倍を超えてしまうと、居酒屋の薄い水割りのようになってしまうので注意。
グラスの底からの幅を考えて、グラス全体の8割から9割くらいの間に収まるように水を注ぐようにします。(9割を超えるとお酒の味が変わり、中身が溢れだしてしまうこともあります)ダブルより濃いめにオーダーされた時は、指2本分の幅よりさらに0.5本分ウイスキーを足してください。
ミネラルウォーターを注いだ後はしっかり掻き混ぜますが、この間に少し氷が溶けていますので、1個氷を追加します。そしてマドラーで3回程度掻き混ぜて、適度に中身を冷やしてあげましょう。
水割りを作る時、マドラーは意外と何度も活躍するアイテムです。グラスを冷やし、飲みものをつぎ足すたびにマドラーで掻き混ぜるので、素早く丁寧に混ぜる技術も必要です。
「カチャカチャ」「カランカラン」と音がするような混ぜ方はNG。スッと回してぴたっと止め、マドラーをまっすぐにドリンクから抜き取ると、スマートに決まります。マドラーを抜いてしまってもまだ氷が回っていればベストです。
また、マドラーを回す時はゆっくりではなく、素早く行うようにします。コツさえ覚えてしまえばどんどん早くなっていくので、キャバ嬢としてお店に入ったばかりの人は、マドラーの扱いを早いうちから自分のものにしてしまうと良いでしょう。
いかがでしたか?選ぶお酒やお客さんの好みによって、水やお酒をどれくらいまで足して割るかがポイントですが、そこは臨機応変に合わせてあげるのがキャバ嬢の優しさです。
相手への気遣いを第一にしながら、お酒を作る時はもちろん、グラスの持ち方やラベルを触らないといった基本的な動作にも注意をしましょう。
居酒屋のようにお酒を作ってお渡して終わりではなく、お客さんからお酌を頼まれたり、一杯を飲み干すまでがお仕事。普段からお酒の濃さやオーダー通りに作れるかをチェックして、スキルを磨いてみてください。